2017年5月18日木曜日

明治大学グリークラブによる女声合唱部の新設についての経緯

 このたび、私が常任指揮者をつとめさせていただいている男声合唱団・明治大学グリークラブ(以下、明グリ)は、本年、平成29年・2017年度より女声合唱部を新設すると発表しました。ここでは、そこに至った経緯などを、書いておきたいと思います。

 私が明治大学グリークラブとOB会のみなさんと付き合いを始めてのは2011年度初演の「Fabulae Persei(ペルセウス物語)」、そして2012年度初演の「Arbor Mundi(世界樹)」の委嘱およびそれに関連する準備からですが、客演指揮等を経て、明グリの常任指揮者を拝命して今年で3年目となります。そして4月のサークル活動の新歓の季節に、体験練習として新入生にレッスンをすることも、今年の4月5日で3回目となりました。今年は練習場所になる和泉キャンパスに少し早く到着したこともあり、明グリのみんなと雑談をする時間があったのですが、その中で、「今年も明グリに入れないか?と聞いてくる女の子がいたが断った」という話が出たのです。

 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、明グリは明治大学公認(明治大学の学部生で構成されている)の男声合唱団です。大学には他にも公認の合唱団はありますが、混声であり、明治大学には女声合唱団は公認としては存在しませんでした。一般や他大学には、女性を男声合唱の歌唱団員として受け入れている合唱団もありますが、明グリは現在までそれも行っておりません。
 混声の団体があるにも関わらず、各人の様々な理由から、男声合唱団である明グリに入りたいという意思を表明している女の子たちがいること、そして過去には女声をやりたいけれど明治にはできないので、混声をやっている又は外部の女声合唱団に所属している、という人の話も聞いていたこともあり、4月5日の時点で、まず以下の告知を私と明グリのツイッターから発信しました。


 まず、私個人の「機会」に関する基本理念は以下の2つです。
1)全ての人に機会は与えられるべきである。
2)自分の努力ではどうにもならない部分で、機会は失われてはいけない。
 特に2)は大切だと私は思います。私自身、自分でどうにもならない部分で、例えば、男だから・女だから・日本人だから・アジア人だから・などの理由で、機会が奪われるのは嫌ですし、他の人にもそのような理由の元、機会が奪われてほしくないと思っています。そして、明治大学に学部生として入学してきた個人が、性別という理由において公認団体に入部できないという現状には変化が必要だ、と感じたのです。
 
 以上を踏まえ、5月6日開催の男声六連コンサートのためのリハーサル日(4月14日)に、現役2・3・4年生に、①女声合唱を明治大学でやりたい、という学生がいたら、明治大学公認という立場、そして、現役を思いサポートをしてくれるOB会を持つ、という恵まれた立場で合唱をやらせてもらっている明グリとしては、全力でサポートしようじゃないか!という旨、②男声合唱団への女性の入部についての検討③歌唱団員ではないが、何らかの形で明グリの活動に貢献したいと願い、入部を希望している明大学部生の受け入れ、という3つの提案をしました。そして、翌15日には、OB総会が開かれたこともあったので、私も総会に赴き、懇親会の場ではありましたが、OB会の皆様にも私の気持ちのお伝えしました。

 さて、明グリは、団員のほぼ9割、年によっては全員が合唱初心者、合唱部活動未経験者として入部をしてきます。彼らは何を求めて、また何に惹かれて男声合唱団などという(笑)、ある種のむさくるしい団体に入ってきたのか(入ってしまったのか)?…まぁ、それには色々な理由があるでしょう。もちろん、体験練習や新歓期の演奏を通して、男声合唱音楽作品や明グリサウンドを気にいり入部してくる団員もいますが、かなり大きな部分を占めるのは「男性だけで運営していることから生まれる居心地の良さ」などという、ある意味、訳の分からない理由(笑)だったりします。男子校経験者や、スポーツ部活動経験者、または男兄弟だけの家族出身者など、こういう場所を求めている子たちは割と多いということは事実ですし、新歓期も、ここを魅力として新入生にアピールしているのも知っています。さて、上級生には4月14日の段階で上記の①②③を検討するように伝えてはいましたが、新入部員には、もちろんそのことは伝わっておらず、上級生の中でも反応は様々なものがありましたし、特に②に関しては、懸念を表明する学生がいるのも承知していました。明グリは、過去に、交歓演奏会で長年一緒に活動させてもらっている立命館大学メンネルコールをならって「女子マネージャー制度」というのも検討したこともありましたが、こちらは立ち消えとなっていたこともあります。私も、別に運営を助けるマネージャー制度を入れるのは構わないとしても、別に「女子」にこだわる必要はないし、運営を頑張ってみるのも学生サークルの大切な活動意義だ思っていたこともあって、その時は特に何も言いませんでしたが。

 私は職業柄、様々な団や会社をみてきましたが、公務員や教員など、変化を導入し、それが成功したことに対してボーナスが出るような業種ではなかったり、年度で人が入れ替わるような団体は、「ボトムアップで変化を迅速におこす」ことを苦手とする傾向があります。私は、今までずっと明グリを学生運営・学生主体の団体として、彼らがやりたいと願うことを音楽面でサポートするという立場でいましたが、今回のようなことは、学生のみで事が素早く進むとは思っていませんでした。組織論として、トップ、または権力を持っている人が権力を行使しなくても運営・進化できる組織が健全、という考えを信じていますが、今回は、常任という立場を利用し、新入生も参加した新歓合宿の最終日、5月14日の反省会の時に、少なくても①に関して明グリは即座に表明をする、ということを団員に直接伝え、②③については、一年生にも今後の課題として検討するよう伝えました。
 明グリは、私個人が作り運営している団体ではないので、強権を発動するのはここまでです。長期的にみれば、明グリは②や③も受け入れる土壌をもった懐も深い団体に、またはそういうことができる人間が育つ場に明治大学グリークラブがなってほしいと私は思いますし、明治大学グリークラブは「常に新しい」ということを標榜しているので、こういったことにも積極的に挑戦してもらいたく思います。また、厳しい言い方をすれば、誰かを排除することで得られた、または誰かの権利を無視することによって得られた権益を守るということに走る人物にも団体にも魅力はなく、社会や時代の変化に対応するのをやめた、または挑戦や進化をやめた団体や会社には未来はない、ということは恐らく証明可能な事実だ、ということも感じてほしく思います。

 以上のような経過を踏まえ、5月16日に、明グリの公式ツイッターより女声部新設のアナウンスを行ってもらいました。
 年度のはじめ、またはその前のアナウンスではなく、5月半ばというある意味、中途半端な時期の発表だったのは、こういう経緯があります。はっきりと書いておきますが、明グリを混声にしよう、という気などはサラサラないです。そもそも、既に明治には公認の混声団体がありますから。(ただ、現在の明グリは、その後の人生で混声の団に入ったとしても、即戦力になれるような声づくり・アンサンブルづくりを目指してはいます)

 男声六連で毎年、そして四女連でも私は昨年お世話になっている立教大学グリークラブや慶應義塾ワグネル・ソサィエティーのように、明治大学グリークラブの中に別組織として女声合唱団をつくるのか、または、新たなサークルとして立ち上げるのかということは、正直に言えば、まだ未定です。今まで機会がなかった明治大学で女声合唱をやりたいと思う参加者にとって、一番やりやすい形式であればいいなと思っていて、もし参加者が望むなら、インカレのサークルなどの可能性もこの際、否定しない、と私は考えています。もちろん、そうなれば明グリの内部の組織ではなくなるかもしれません、新設する!とか言っておいて違う方向になってしまう可能性はありますが、それであっても、明グリの、ちょっぴりシャイな愛すべきバカな仲間たちにとって、ネットワークと視野を広げる良い機会になると思っています。(たとえ冗談だとしても、いつまでも「オンナノコニガテー」などと小学4年生みたいなこと言ってるんじゃない、コンチクショー! 自分のカーチャンが部室に登場したらヤバイって感じにしとくな 気楽さとか以前の問題だぞ シッカリシロー!)

 さて、実務面・運営面でいえば、今まで、女声合唱団は明治になかったので、やってみようというポテンシャルをもっている人たちは、既に何らかの形で合唱団に参加している可能性がある、ということは十分に承知をしています。それを踏まえて、とりあえず、最初はあまり負担のかからない練習日程・場所・部費だったりになればいいと思っています。とりあえず、週1・和泉キャンバス・部費ゼロ、からのスタートが妥当でしょうか?言い出しっぺは私でもありますので、明グリの負担をなくすためにも、私もなるべく和泉キャンパスに赴き、時間的にも金銭的にもできる限りのサポートをいたします。

 とりあえず、5月18日は、私は4時以降、和泉キャンバスにいます。今のところ2人の学生と話をすることになっていますが、興味があれば是非、顔を出してください!
 私のツイッター もしくは、私の公式サイトにあるメールから連絡してくれればと思います。
 
 と、まぁ、色々ありますが、明グリは元気です!新入団員も私が知る限り去年の15人を超えてきて、新歓合宿では40人を超える合唱団をみるのは嬉しいものでした。次は立命館メンネルコールとの合同演奏が7月1日に立命館の茨木キャンパスで行われます。団員の自分が成長したい・明グリを良くしていきたいという思いにもっと答えられるように、そして、合唱を楽しみ、お互いを尊び、そして学生時代にふさわしい広がりあがる活動・場になるよう今後も頑張ります。

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