2017年5月8日月曜日

六連後 オールにて

 GW、そして男声六連が終わりました。私たち明治大学グリークラブの演奏は、次の大阪の明立合同までにさらに良くするとして、今回の大きな収穫は、恒例のオール打上に、ボイトレの杉山先生がいつもより長くいられた為に、学生と一緒に次年度以降を視野にいれての練習・ボイトレ・基礎錬・運営のあり方などについて色々と話せた事でした。

 まず、明治大学グリークラブに入団してくる大学生は、ほぼ合唱・音楽活動未経験者です。 練習は週三回、指揮者練習は本番前に5回という現状で、私としてはこれが大学生運営のクラブ活動の学業や他の活動に支障をきたさない最大であり、可能であれば減らせると良い、と思っています。  これには、音楽初心者に①音楽家として成長してもらう ②声楽家として成長してもらうということが必要なのですが、具体的には①に関しては譜読みと音取りを早くできるようにする、 ②に関しては、実声とファルセットの音域・音量の拡張、ジャンルによった響きと歌唱スタイルの幅をもつ、外国語・特に英語の発音はしっかりやろうよ、ということになります。 要するに、合唱という集団活動は、個の力の結集であって、全体の演奏レベルを上げるには個の力をどれだけ効率よく伸ばせるか、ということにかかっているといえます。個のレベルがあがれば、よりアンサンブルを作ることに時間を割くこともできますし、その時間も短くでき、より多様な音楽に触れる機会も生まれるでしょうし、社会人のさらに限られた時間の中でも音楽を自分なりに作っていける道にもなると思います。

 また、学生運営のクラブ活動の問題としては、①数年で人が入れ替わる、ということに端を発する、運営引継ぎの不備やスケジュールや予算管理の甘さ  ②目標や目的、方向性・熱意といったものの相違から生まれる問題、があげられます。  学生の趣味活動であるクラブは、基本的に参加者相互の「やる気・好きだという思い」によって成り立ち、総意や総力によって行動が決定されます。学生誰かの鶴の一声で、強制的に物事が決まるようでも、または能力が高い学生個人に頼った行動も決定も、組織のあり方としてはマズイのです。 その意味では、社会経験不足またはミスから発生する問題や、ある種の熱意が暴走することといったことを防ぎつつ、結果ではなく積極的な行動や挑戦そのものを評価する土台作りが必要です。また、組織内の風通しのよさを確認し、他を尊重しない心や未熟さから生まれる好ましくない行動や言動については、他の学生と該当学生の将来を考え、社会人側が成長を促すのも責任だと感じました。



 オールでは、上記、またその他のことも含め、積極的な意見交換と上記を行なうようにする体制作りについて話をすることができました。なにより、現役の学生が、先を見据えてもっと良い団体にしようと色々考えてくれていることが、非常に嬉しかったです。

 明治大学グリークラブは明治大学の公認団体です。もちろん男声合唱団をしていますが、私は音楽を通して様々な広がり・経験・成長を感じられる活動であって欲しいと思います。と同時に、明治大学に入学し、お互いを尊重し、友情を大切にし、音楽を愛する人であれば、分け隔てなく受け入れ(私の望みでは男女の違いなく)、そして共に活動できる「男前の団体」であり、そういった人が集い、巣立ち、そして社会人となっても戻る場がある場でありたいと思っています。