2010年8月17日火曜日

SHの発音

 英語にあって日本語に無い子音というので、よく知られているものは「L」 「英語のR」「TH」なのですが、以外に知られていないものに「SH」の発音があります。それは英単語で言うと「shot」「she」「shook」 「shell」「shock」といった単語にあらわれます。

  さて、ここで「あれ?」と思う人もいるかもしれません。というのも日本語にもSHの音があって、それは「しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ」行に現れていている からです。学校でSHは日本語と英語で同じと習った人もいるかもしれませんが、間違っているので忘れてください。この英語と日本語のSHの音は「違う音」 です。あまり聴きなれていないと、この英語と日本語のSHは同じに聞こえてしまうのでしょうがないかもしれませんが・・・。ですが、英語のネイティブの人 が「この日本人のSHの発音は何か変だなぁ」と感じたり、日本人が「この外国人の話す《し》の音は何か変だなぁ」と漠然と感じる原因になったりもするの で、SHの発音の習得は発音力アップには必須!と覚えてください。

  日本語のSHの音は「無声歯茎硬口蓋摩擦音」 、英語のSHの音は「無声後部歯茎摩擦音」と学問的には呼ばれていますが、この二つの音の違いを作る大きな原因は舌の位置です。乱暴に言えば、日本語の SHは、「い」の母音のような舌の位置で、英語のSHは「(英語の)う」の母音のような舌の位置だ、ということになります。そして、殆どの場合、英語の SHの発音には若干、唇の丸まりも加わります。以上のことから、音響学観点から言えば、日本語のSHの方が高音の成分を含んだ音がつくられます。ちなみ に、フランス語やイタリア語、そして合唱をする人ならばラテン語のSHも全て英語のSHと同じです。

 さて、私がこのSHの音の違いを強く感じるのは、外国の合唱団に日本語や私の日本語曲の指導をするときです。英語圏の合唱団の場合は、経験から言って、日本語のSH(主に「し」の発音)と促音(「っ」)さえできれば、発音的にぐーっと完成に近づきます。

 ここでは具体的な練習方法は書きませんが、みなんも英語の発音を勉強するときには、RやLやTHといった強豪だけではく、SHにも注意を払うと外国語だけではなく日本語の発音もより良いものになるのではないか、と思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿