2010年7月22日木曜日

男性であること 歌を教えるということ 昔の記録があるということ

   男性である、ということは歌が好きな人にとって、不利な点がいくつかあるのですが、その中の一つが「変声がある」ということです。変声をすると、新しい声 (楽器)の使い方を一から覚え直さなければいけません。声を、年齢とともに素直に伸ばすことができない、というわけです。変声中に音楽や歌から離れてしま う男の子や、運動部で声をつぶす男の子もいます。女性はこの点において余り心配ありません。

  さて、男性にとって不利な「変声」ですが、歌を教える、ということを始めると、とても有利になってきます。というのも、男性は男性のレンジで歌う事がで き、女性の(子供のときの)レンジでも歌った経験があるからです。 女性は男性のレンジで歌うことは基本的には一生なく、また変声も経験しないため、女性が男性を指導すると、意外と苦労する、ということが多くあります。

   当たり前のことですが、男性がこの利点を生かすには、変声前にどのような感覚で、どのように歌っていたかを覚えていなくてはいけません。幸運なことに、私 はどれくらいで声を転換させていたか?など結構はっきりと覚えていて、これらのことは、子供や女性に教えるときにとても役に立っています。

   さて、自分の記憶とは別に、変声前と変声後の練習や演奏を録音したテープも残っていて、それらは自分の記憶や感覚を呼び起こすのに役立っています。自分 がファルセットやビブラートなどを身に着けていった過程が分かる良い記録なのですが、ボーイソプラノだった頃のものは良いとしても、中高生の時のものを聞 くと、ハリセンで当時の自分をすっぱたきたい気分になります(笑)。
   最近、久しぶりに井上雄彦・作、漫画「SLAM DUNK」を読み返す機会があったのですが、その中に、バスケットボール初心者・桜木花道が、「シュート2万本」の特訓をする際、自分のシュートの録画を 見ながら色々と思いをめぐらす、という場面があります。自分の昔の録音を聞くのは、あんな感じです(笑)。



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